料理バカ日誌

金曜に放送されたフジのドラマ。パパこと荒岩一味をマンガそっくりの山口智充が演じる。


なんだろう、クッキングパパは「美味しんぼ」と違って全巻読んでいないので今回登場したエピソードが原作にあるかどうかは知らないのだが(きっとあるんだろうけど)、それでも2時間にするような話ではないわけで(基本クッキングパパは一話完結である)、原作のほのぼのとした雰囲気を無理やり肥大させて人情ドラマに仕上がっていた。そういうドラマとしてはそこそこの出来だとは思うけど、「クッキングパパ」のドラマとしてはイマイチだろうか。


原作の荒岩一味は寡黙だが料理は上手いパパなんだけども、ドラマ版はやたらぐっさんが喋るもんでちょっと雰囲気が違う。しかも料理が完全に脇で、極端なことをいえばパパが主役でなくても、もしくはクッキングパパのドラマでなくて単なるぐっさん主演の人情ドラマであっても何の問題もなかった。原作のどこをリスペクトしてドラマにしたんだか首を捻りたくなる。そりゃ「ミスター味っ子」や「美味しんぼ」のような料理対決はこのマンガには出てこないけど、かといって料理をないがしろにして実写化もないだろとは思う。


とはいえ、「マンガの実写化」という意味では成功している。荒岩のぐっさんはもちろん、妻の虹子さんの富田靖子、母親のカツ子さんの中尾ミエは原作のイメージにバッチリ。中尾ミエに劇中で「可愛いベイビー」を歌わせるのはどうかと思ったけど。福岡・博多が舞台の話なので、福岡出身者(富田・陣内孝則・華丸大吉など)が多数出演してネイティブで喋っていたのはマル。富田は「美味しんぼ」でも栗田役で出演していたことがあり、これで料理マンガ2冠。


というわけで全体的には惜しい出来。今回の数字次第ではシリーズ化も検討されるのかもしれない。料理関係なしに人情ドラマならいくらでも作れるからなあ。