こんにちぱ

スタジオパークからこんにちは」に三谷幸喜


「なんだかやたらスタジオパークに出演するよなあ、三谷」と録画したビデオを見ながら思っていたわけだが、それもそのはず今回の出演が4回目だそうで、瀬戸内寂聴と並んで最多出演らしい。「笑っていいとも!」におけるテレフォンショッキングの最多出演は和田アキ子、そして「徹子の部屋」の最多出演はタモリとまあ妥当な顔ぶれが並ぶ中で、「スタジオパーク」は瀬戸内寂聴三谷幸喜。異質である。


「いいとも」にしろ「徹子」にしろ、最初は普通に友達呼んでたり徹子が気になる人をゲストに呼んでいたこともあったようだが、今ではそれぞれの局の番宣を兼ねた人選になることが多い。「スタジオパーク」はその傾向が特に顕著で、稀にNHKの番組に関係ない出演者もいるが(今回の三谷幸喜はNHKの番宣とは関係のない出演だった。近々「サラリーマンNEO」にゲスト出演するというのに、その情報は一切触れられず)、基本的には他番組同様宣伝が多い。番組の歴史は違えど同じようなタイプの番組で瀬戸内寂聴三谷幸喜が最多出演というのは、「スタジオパーク」ひいてはNHKという局の特異さがよく分かるようでもある。


今回の出演は三谷の映画最新作「ザ・マジックアワー」の宣伝の一環のはずだが、NHKということで表立った宣伝が出来るわけではなく映画に関連した話題を話す程度の遠まわしな宣伝。あまり宣伝効果はないような気はするが、三谷が「スタジオパーク」の熱心な視聴者であることを考えれば宣伝効果は度外視なのかもしれない。


番組中で三谷は「目玉焼き丼」の作り方を披露していた。


目玉焼きが丁度ひとつ収まるくらいの小さなマイフライパンを用いて目玉焼きを作り、胡椒をまぶしたご飯に海苔を敷き、ハムと一緒に焼いた目玉焼きを乗せて醤油とみりんを混ぜたタレをかけて出来上がり。非常にシンプルな料理。元々はケンタロウの料理らしいが、三谷流にアレンジしたもののようだ。


味のほうは「目玉焼きの味がします」(竹内アナ)の一言が全てだとは思うので特に思うところはないが、これを見て自分は「そういや美味しんぼに目玉焼き丼を紹介した回があったなあ」と思った。そんでまあ調べてみたわけだが、単行本18巻(生肉勝負!!)の第4話〜第5話にかけてのエピソードに目玉焼き丼が登場している。


三谷のようにちょっとアレンジしているものではなく、温かい丼に温かいご飯をよそい、アツアツの目玉焼き(黄身は半熟)を乗せて醤油をたらすだけのより単純なもの。食べ方は「一気にかきこむ」と三谷と美味しんぼで共通している。


そういや「美味しんぼ」といえば、今週発売された「スピリッツ」誌において、25年来対立してきた山岡と雄山が歴史的な和解をして大きな目処がついた。そのことがスポーツ新聞の記事になり、「とくダネ!」でも紹介されていた。たかだか漫画と言っては失礼かもしれないが、漫画の親子が和解したことがニュースになるとは「美味しんぼ」も偉くなったもんである。結構なマニアである自分ですらそう思う。


原作者の雁屋哲は自身のブログで「今でも、初期に比べると大分質が低下していると思う。」ともらしているが、自分もその通りだと思う。正直最近の「美味しんぼ」は色んな意味で物足りない。料理の知識としてどうこうではなく、明らかにストーリーとしての練りこみ方が足りないと思える。個人的に「美味しんぼ」が面白かったのは究極至高の対決が始まったころ(15巻〜)から上昇し、二木まり子と近城カメラマン(21巻〜)、さらには団社長が登場(29巻〜)で5角関係に突入、オーストラリアに舞台を移し(33巻〜)、遂には山岡が栗田にプロポーズ(43巻)、そして遂に結婚(47巻)とここまでがピークであったように思う。結婚以降は秀逸なエピソードもあるが、基本的にはグダグダ感が強い。


単なる作者花咲アキラの画風の変化もあるのだろうが、グダグダ感とともに山岡の顔がどんどん幅広になっていく印象がある。顔が丸みを帯びるのは年齢を経たという表現にも繋がるが(顔つきが柔和になる、という意味で)、そんな表現以上に山岡の顔つきが幅広になってしまった。初期のパンク山岡は今とは間逆で顔がとがっている。今では尖っているどころか鋭角な部分が一つもない。


今回山岡と雄山が和解したことで、山岡の顔の丸みはピークを迎えたような気すらする。これ以上ないグダグダ。「歴史的和解」だなんて報道がされているが、自分からすればようやくグダグダに終止符が打たれた程度の感慨でしかない。


話は戻って三谷幸喜であるが、以前よりもちょっと痩せた気がする。顔が少しシャープになっていた。山岡フェイスの法則からすれば、丸みを帯びずに顔が鋭角になったということはかつての面白さを取り戻したということになる。となれば、三谷の最新作「ザ・マジックアワー」は「THE 有頂天ホテル」よりも面白いという期待が出来るのではないだろうか。


なんて書いてはみたものの、「ザ・マジックアワー」も「有頂天ホテル」同様に豪華キャストがちょっとづつたくさん出てくる構成であり、前回同様に豪華すぎるキャストの有機的な落としどころを見失って肩透かしを食らう可能性は大いにある。前回は個人的にハードルを高くしすぎたので、今回は肩の力を抜いてハードルも低めに設定して観賞したいと思う。という自分の覚書で終了とは投げっぱなしもいいとこだ。ま、いいや。