ガッハッハイズム

「オジサンズ11」はもうダメだと思ってるんです。3月で終わってしまうような気がしていたんですが、まだアナウンスがないため、もしかしたら4月以降も継続するのかもしれません。


フジのお化け番組「SMAP×SMAP」の裏でオッサンどもをかき集めた番組なんて誰が見るんだ、という最初から破れかぶれで始まった番組にも関わらず、やっぱり視聴率が欲しいのかどんどん当り障りのないどこかで見たことあるような内容にシフトしようとしている。それでは全く意味がない。オッサンどもが好き勝手やる面白さを提供して欲しいと思っている自分からすれば、もうなんだか物足りないの一言に尽きる。


今週放送した「オジミシュラン」つうのも要するにグルメ系の企画。オジサンズがオススメのお店を羽鳥アナが訪れて評価するというものだが、羽鳥のライバルともいえるような存在のTBS安住アナが「ぴったんこカンカン」やら「ドリームプレス社」でやっているような企画となんら変わりがない。もっともそのような番組を好む人には安心して見ていられるのかもしれないが、「オジサンズ11」においてそんな安心はいらないのだ。


そんな全編通して「どっかで見たことある感」で飽和している番組の中で一人だけ異彩を放っていたのが小倉智昭。小倉だけは「オジサンズ11」に残された希望の星である。まあそんな大袈裟なもんでもないが。


以前に渋谷109でロケをした時、物珍しさからなのか妙にはしゃいでいた小倉は面白かった。勧められた服を全て購入して109に乗り込み、ギャルたちにワーワー言われて上機嫌の小倉は、まごうことなき「金を持ったオッサン」そのものであり、なかなかテレビでどストレートに見ることが出来ない光景だったように記憶している。そんな小倉がまたも109に降臨した。


109の中に入っているタピオカドリンクの店で、「じゃあオジサンがおごるから」と言って、タピオカドリンク50杯を自腹で購入し、出演者だけでなくそこらにいたギャルに配り始めたのだ。そしてドリンクを貰ったギャルからお礼を言われて上機嫌の小倉。さすがにギャルたちに手を出したりはしていなかったが、こんなに堂々と金持ちのオッサンを演じられる小倉は非常にステキである。


自分はこの小倉の大盤振る舞いを「ガッハッハイズム」と呼びたい。


小倉智昭テレビ東京から独立し、大橋巨泉事務所(現:オーケープロダクション)に所属しているというのは有名な話であると思う。巨泉司会の「世界まるごとHOWマッチ」のナレーターで名前を馳せたのも、30代以上の人であれば記憶にあるだろう。そして今現在小倉はオーケープロダクションの取締役を務めている。つまり小倉はスタイルこそ違えど大橋巨泉イズムのまっとうな後継者であると言えよう。


小倉智昭がギャルに大盤振る舞いをする様子、これって見たことないけど大橋巨泉も絶対に過去にやっていたことだと思う。実際に巨泉がやっていたかどうかは知らんし、小倉がその巨泉の大盤振る舞いの恩恵にあずかったかどうかなんて自分は知る由もないんだけど、小倉が大盤振る舞いでさもガッハッハと言いそうな雰囲気は、自分が大橋巨泉に見ていたガッハッハな雰囲気と同じものだった。


もちろん自分は小倉がオーケープロダクション所属と知っているからこそ、連想でそのようなイメージが登場したのだとは思うけども、今現在あんなにストレートにガッハッハを体現できる人は小倉智昭を差し置いて他にいないんじゃないかと思うのだ。毎度お馴染みwikipediaによれば、小倉は自分のことを巨泉と比べられたり「ミニ巨泉」と呼ばれることを嫌っているそうだが、あのガッハッハはミニ巨泉以外の何者でもなかった。間違いなくミニ巨泉。比べられても仕方ない。


冒頭に戻るが、「オジサンズ11」はもうダメだと思っている。だからこそ「オジサンズ11」は早いとこ諦めて、小倉智昭がいろんな若者の現場に足を踏み入れ、その度「ガッハッハ」な大盤振る舞いをして高笑いして去っていく、というある意味最低な番組を作ればいいんじゃないかと思います。そうすれば間違いなく毎週見る。番組タイトルは「小倉のこの店HOWマッチ!〜え、こんな安いの。じゃあ全部買っちゃう〜」で。