根性論

日テレが久方ぶりに番組改変時の宣伝バラエティを。

昔は「show by ショーバイ」や「マジカル頭脳パワー」が中心となってやっていた特番であるが、いつのまにかフェードアウトしてしまった。だが何を思ったかここにきて復活。ゲームのポイントの単位が「萬」(show by ショーバイの単位)だったことに名残が伺える。

いくら復活したところで「ヌルい」という基本中の基本を外すわけがなく、見事にヌルい。これが日テレの良心なのか、それともフジに視聴率4冠王を阻まれた原因なのかはわからないが、このヌルさこそ日テレを象徴しているような気がする。

別に今回は日テレのヌルさを紹介したいわけではない。

本当に紹介したいのは菊川怜である。

女性対抗の尻相撲をやっていたんだけど、そこに菊川怜が参加。

勿論ゲームであるから、出てくる女性はみな気楽なもんだ。そりゃそうだ。ヌルいのが基本なんだから。コーナーだけ真剣にやるなんてのはおかしい話である。しかし、一人だけそのヌルさを逆行する女が一人。その名は菊川怜

月曜日に放送された「東京フレンドパーク2」に出演した時もそうだったのだが、一人だけ異様に真剣なのである。

菊川怜のこの「真剣さ」は、何か執念めいたものを感じるくらい真剣だ。おそらく生来の負けず嫌いなんだろう。どんな勝負においても負けるのはイヤだ。そんな菊川スピリッツをまじまじと見せ付けられる「尻相撲」における真剣さ。出演者が口々に「怖い」と発言していたが、まさにその通り。テレビの向こうから「怖さ」が伝わってくるんだもん。

結局、菊川は決勝戦山瀬まみに負けた。菊川が山瀬に突撃したところを山瀬が上手くかわして、菊川が土俵の外に転げ落ちたのだ。山瀬は菊川の気合を逆手にとって勝利したのである。別に山瀬にとって勝敗など大した話ではないはずだからどうでもよかったのだろうが、場外に転げ落ちた菊川の顔は「悔しさ」でいっぱいであった。本気で悔しがってますよ、あれは。


こんな気合の入った菊川をテレビで見るにつけ、この人はこういう感じで東大にまで入ってしまったんだなぁとしみじみ思う。単純に「負けたくねえ」という気合、もしくは根性だけで東大に入ったクチではなかろうか。いやもちろん勉強が出来たから東大入ってるんだけど、その動力源は間違いなくこの根性だよなぁ、と。

つまり、何が言いたいのかと言えば、「頭のよくなるレシピ」なんて料理本を出版するまえに「菊川怜の根性論」というタイトルでも銘打って、自分の執念めいた精神についての本を出したほうがいいんじゃねえかと。きっとレシピとか関係ない。菊川怜が東大に入るために使ったのは「頭の良くなるレシピ」ではなく、その根性だ。しかもその根性、必ずしも良い方向に向かわないところも凄い。なんで女優になろうと思ったんだろう、菊川。