油断ならねえ

さも当然のようかに扱われていることでも、よくよく考えてみると合点がいかないという話。

「いつみても波乱万丈」のゲストがパックンマックン。いや、確かにハーバード大学を卒業したアメリカ人と高卒の日本人がお笑いコンビを組んでいるだけで充分に「波乱万丈」なのだが、それにしても彼らの知名度と実績を考慮すれば、この出演こそが視聴者にとって「波乱」含みなのは言うまでもない。いくら奥様どもに知名度があると言っても(「ジャスト」にレギュラー出演しているということで)コンビとして歴史を語れるほどの器では全くない。

ただ、自分はこのパックンマックンの出演は許容範囲だと思っていた。その理由として、この二人はラスベガスで英語で漫才をしたという実績を引っさげて本も出す予定なわけで、それの宣伝も兼ねた出演なんだと思っていた。しかし、あの番組の特性とも言えるのだが、ある程度最近の歴史を紐解くということはせず、今回も例に漏れずコンビ結成をしてからの話は殆どされることがなかった。当然昨年ラスベガスで漫才をやったなどという話は全く触れられることがなく、なぜか今年の3月にパックン結婚というどうでもいいほうが取り上げられていた。

結局最後まで彼らの扱いは「インテリ外国人と日本人の変わったコンビ」という話に終始し、特に面白いとかそういう部分もなく、不思議な波乱万丈伝を見せられたのである。まあ、彼らより若く成功の階段を着実すぎるほどに歩んでいる(その中身がどうだとかいう話ではなく)菊川怜の時と同じような妙な感じを受けた次第。


笑点」にナポレオンズ。この組み合わせ自体、全く不思議なものではなく、むしろ笑点常連としてのナポレオンズの円熟のマジック(&芸)が見れることに何よりの幸せを感じることができる。実際ネタそのものは何度も見たことがあるお馴染みのネタだったのだが、それでも何度見ても笑ってしまうというマンネリの偉大さを感じたりもするわけだ。

ナポレオンズに限らず、マジックという演芸のジャンルはお客さんを利用したマジックも多い。今回のネタもナポレオンズはお客さんを舞台に上げて、その上でネタを進めていくわけだが、今回ステージ上に上がったのはいづれも10代とおぼしき女の子であった。おそらく同じグループの女の子である。女の子数人で最前列に固まって座っていたのだ。

しかし、ここで油断したら見過ごしてしまいそうな重大な疑問にぶち当たるのである。

なぜ10代の女の子が「笑点」の公開録画の先頭に座っていたのか?

笑点といえば地方を周っている以外は後楽園ホールをホームとした公開録画(無料)で有名である。そのことを小遊三(水色:一番左)が毒づいてみたりすることもあったりするのだが、老人は無料で笑点を楽しむのだ。

オープニングで客に紛れて司会の円楽がオープンニングトークをするが、そこを見る限りでは殆ど老人というのを考えても、若者が「笑点」の公開録画を楽しむというのは、別に俄かに若者の間でブームになっているとかそういう話ではない。

おそらく客席の座り順は先着であると思われるので(違ったらごめんなさい)、彼女たちはそれほどまでに笑点の最前列を取るべく気合が入っていたに違いない。何故だ?

考えられる理由?大喜利メンバー誰かのファンである。・・・・・ちょっと考えにくい。いや、 10代の女の子が好楽師匠や歌丸師匠に恋心を抱いたって自分は全然否定はしないが、自分が見た限りでは5・6人が最前列に陣取っていたから、あれだけ大勢の女の子がそれぞれ「円担(円楽担当:ジャニーズ用語風)」とか「こん担(こん平担当)」とかになってるってか?それはちょっとな・・・。いや、可能性としては否定できないけど、限りなく低いということで。

普通に考えたら、大喜利の前に出てくる芸人さん(今回のOAがたまたまナポレオンズだった)のファンなのだろう。いっぺんに数本の収録をしているはずだから、今回OAされていない若手芸人の追っかけだという可能性が一番高い。

それにしても、あの老人のオアシス後楽園ホールにて最前列を陣取るパワーというのは強烈である。よっぽど好きじゃないとあの位置には来れませんて。そういうわけで、あの女の子たちが最前列に座っている意義というのはなかなか深いものがあります。

でも、自分は密かに「こん担」があの中に存在していると信じたい。