皆目見当違い

スナック感覚で「M-1グランプリ2022」の感想を敗者復活から。

 

敗者復活戦

シンクロニシティ

そういうお店のような感じ。

 

ママタルト

良さは出てたと思うけど、視聴者の評価が低い。まーごめ。

 

からし蓮根

完成されている。されているからこそ伸びしろがどうだ。

 

THIS IS パン

吉田さんもっとできる。

 

オズワルド

貫禄が違う。

 

令和ロマン

ドラえもんというもはや手垢しかない素材でここまでやれるの凄い。でもそうならばドラえもんじゃなくてもやれるはずだから、別のネタですごいのが見たいと思ってしまった。

 

ストレッチーズ

「ツギクル芸人グランプリ」での優勝ネタ。仕上がってるけど個人的にはあんまりピンとこない。

 

カゲヤマ

こういう戦い方ができるのは素敵なことです。

 

ビスケットブラザーズ

さすがKOC王者。勢いある。

 

ななまがり

つかみ大好き。来年は決勝で見たいけど、どうなんだろう。

 

ダンビラムーチョ

森山直太朗の曲はただ気持ちよく歌うだけで漫才になる、という着想が最高。

 

ハイツ友の会

見たことあるようなないような菊人形の話を延々しているだけの面白さ。

 

ケビンス

身体能力がすごいのよ。

 

ヤーレンズ

出井アフタートゥモロー。

 

ミキ

THE MANZAI」でも思ったけど、こんなにうるさくなくていいのに。もうそういうフェーズじゃなくないか。

 

かもめんたる

この漫才と並行して「かりそめ天国」でファイヤーダンスショーをやらされている岩崎う大という奇人。

 

マユリカ

昨年と比べると比較的おとなしめ。

 

 

決勝

 

カベポスター

大声大会。キレイに振って、そして落としてとお手本のような漫才。トップバッターなのがもったいないというだけ。実力あるう。

 

真空ジェシカ

シルバー人材センター。人材智則、派遣のニューウェーブで死ぬかと思った。戒名の歌を作る「かいみょん」とか、見たことない角度からのボケを大量生産してくる凄さ。正統派漫才の面白さじゃあないんだろうけど、こんなもん笑わないわけがないよなあ。ただただ面白いだけ。

 

オズワルド

明晰夢。話の進め方から散りばめた伏線の回収の仕方から、やれることは全部ぶちこんでいる感じ。しかし去年の1本目が良すぎたこともあり、自分たちを超えるのが最大のハードルという難しさ。

 

ロングコートダディ

ラソン笑い飯を彷彿とさせるようなWボケとは言わないまでも互いに次々にボケを繰り広げていく強さ。いろんなパターンが出尽くしたと思ったあとで「太っている人に抜かされる」という激シンプルなボケが最大の重さで入ってくるという構成の巧みさ。そりゃあ負けたらファンが発狂するわい。

 

さや香

免許返納。最初に決勝に出たときの音楽ネタ、昨年敗者復活の完全に力業だった漫才とは打って変わって、完全なるしゃべくり漫才でなおかつ過去最高の面白さ。免許返納で話が一本通っていながら、いろんな方向にボケが繰り広げられてきて、その全てが面白いように決まる。ファーストラウンド1位も納得のネタ。思わず笑ってしまう。

 

男性ブランコ

音符運搬。まず設定だけで面白く、そして平井の演技で本当に音符が運搬されているように見えるし、その音符に何度もやられる浦井の倒れ方の見事さ。コント師としての強さを漫才でもいかんなく発揮している。この先もまだまだ面白くなりそうな本当に楽しみなコンビ。

 

ダイヤモンド

ない言葉。審査員の点数は低くて、最初見たときはそんなもんかなあと思ったのだけど、改めて見返してみるとしっかり面白くて、何かどこかでひとつ掛け違いがあったのかなあと思えてしまう。そりゃ決勝残ってるんだもんつまらないわけがない。やはり漫才も水物なのだなあと感じる。

 

ヨネダ2000

餅つき。THE Wとはまた違うこれだけ凄い(そしてともすれば完全にクレイジーな)ネタを量産している強さ。しかもまだ若い。若いのにDA PUMP「if…」の面白さを完全に理解しているところがまたにくい。

 

キュウ

関係ない言葉。M-1向きではないとされるスローテンポで独特な間をもつコンビ。ヨネダ2000の出番後だったという不運。去年の敗者復活1番手とか、出番順に左右される難しさよ。

 

ウエストランド

あるなしクイズ。の名を借りた井口悪口ショー。今までの井口の何かを全て詰め込んだような「共感しうる悪口」はこれはもう芸でしかないのよ。傷つけない笑いなんて屁でもないのだよ、というその姿勢には潔さと痛快さが残る。一言で言うなら「やってやったな」だ。

 

最終決戦

ウエストランド

引き続きあるなしクイズの名を借りた井口悪口ショー。出番順の妙で2本連続ネタを披露したことが大きくプラスにはたらいた。M-1のアナザーストーリーがウザいまで言い切るその姿勢。しびれるのよ。

 

ロングコートダディ

タイムマシン。分かっていても笑ってしまうこの強さ。ダーツの旅のテーマソングに「てやんでえ」を混ぜ込むのとか、隙あらば笑いをねじ込んでくる感じ。

 

さや香

男女の友情。これも全然悪くない出来だったけども、1本目に比べれば若干見劣りするのかな、くらいの印象。

 

ネタ終了直後から苦悶の表情を浮かべる審査員たち。そりゃあ悩む。こうなればあとは好みの問題であり、どこに転んでも何ら不思議じゃない状況で、最後に笑ったのは6票獲得したウエストランド。数字で見れば圧勝なのだけど、本当に僅かな差であることは審査員も言ってる通り。しかし、そのほんの僅かな差でもってウエストランドに入れたくなる何か気迫のようなものを多くの審査員が感じたってことではないだろうか。

 

ここ数年のお題目のように言われてきた「人を傷つけない笑い」。今年のR-1王者お見送り芸人しんいちもそうであるが、その揺り戻しってことは確実にあるのだろう。自分はこういう性格なのでどうしても「人を傷つける笑い」に惹かれてしまうのだけど、元来はどっちが正しいとかではなく、表裏一体の関係でしかないということだ。

 

そんなことは百も承知なはずの現役の芸人審査員がそれでもウエストランドを評価したということは、あの漫才の中に、このご時世のもやもやや鬱憤を吹き飛ばす痛快さを感じずにはいられなかった、ということなのだろう。自分はどのコンビが優勝しても「いやあ素晴らしい」と思ったはずなのだが、ウエストランドが優勝することで、その次元とは何かひとつ違った「自分も頑張らねば!」という勇気をもらった気がする。やってやれないことはない。えらく陳腐ではあるが、そんなことを思わずにいられなかった。

 

こんな芸風であるからこそ、今後(というか現在進行形で)批判はつきまとうのだろう。しかしその全てが井口のガソリンになり、さらに立場を強力にしていくはずだ。こんなに頼もしいことはない。

 

アナザーストーリー、ウザいけど見ちゃう。また来年。

 

どうしたら

清原果耶さんはもう本物の城塚翡翠さんってことでいいんじゃないっすか。ダメですか。

 

霊媒探偵・城塚翡翠」が最終回を迎えて、来週からは続編がそのまま新ドラマとして放送されるわけですが、あまりに「霊媒探偵」の最終回の清原果耶さんが良すぎたので、もう本物ってことにしてくれないですかね。ダメですかね。ダメですよね。

 

清原果耶さんといえばまだ二十歳なんですけどNHKに重宝されていて、「おかえりモネ」で既に朝ドラ女優。東日本大震災を扱い、朝ドラヒロインにしては珍しいどちらかといえば陰のある役でしたが、演技力が半端ないので素晴らしくこなしていました。「俺たちの菅波」のアシスト役です。正しい説明かは分かりませんけども。

 

見た目も派手ではなく、本当に正統派の女優。もうNHKが好きで好きでしょうがない感じ。しかし今回の城塚翡翠さんは、ドラマ全体が清原さんのイメージを隠れ蓑に使った挙句、最後に清原さんのポテンシャルを最大限に発揮させる悪魔的作品になっています。「すべてが伏線」とはこの小説作品の、そしてドラマのキャッチフレーズですけども、いやいや、作品の伏線じゃなくて清原果耶魅力大爆発の伏線でしかないですよね。ドラマも小説も素晴らしい作品ではあるんだけど、清原果耶の魅力に全てがひれ伏すしかないです。マジで。言い方は本当に悪いですけど、ジラされてジラされて我慢してきて大爆発ですよ。そりゃあ変態シスコン野郎って言われて果てても仕方ないレベル。

 

いい歳こいたオッサンが書いてはいけない文章なのは自分が一番よく分かっているわけですが、昨日から残っている衝動の処理をどうしたらいいかわからないので、書いてしまいますよね。乙女かよ。

 

不発

タイトルが全てなのですが、一応「世にも」の最新作「22秋の特別編」の感想を。

 

元カレと三角関係

土屋太鳳主演。現在の彼との間にしっくりこないものを感じる主人公。ある日主人公の部屋に見知らぬロボットが訪れる。そのロボットは事故で入院している別れた元カレの脳波によって動かされるロボットだった。見舞いを拒否することを訝しく思うも、付き合っていた頃のことを思い出したり、元カレの優しさに触れるにつき、心を動かされる主人公。ある日元カレのロボットは「先が長くないので、結婚式を挙げてくれないか」という。主人公は本気にするも、信用できない元カレが実際に入院している病院を突き止めると、そこには本当にベッドに寝かされ、脳波でロボットを動かしているらしき元カレを発見。結婚式をお膳立てすることに。砂浜で結婚式の真似事をしている最中、元カレの容態は急変、そのまま帰らぬ人となってしまう。

 

とまあ、今書いたあらすじ以上のことがない話。どこかにヒネリがあるわけでもなく、毒気があるわけでもなく、そしてあらすじ以上の感動があるわけでもない。そして無駄に長い。ただ土屋太鳳が土屋太鳳だけだった話。

 

コンシェルジュ

観月ありさ主演。元旦那との不倫騒動により、娘とともに引っ越しを余儀なくされた主人公。引っ越しした先のマンションには、何でもやってくれるその部屋専用のコンシェルジュがいた。コンシェルジュは住人である主人公の思い通りのことを叶えてくれる。いなくなればいいのに、とつぶやいたら元旦那は刺し殺され、ドラマやCMの仕事も次々と決まっていく。何より娘のことを優先してきた主人公だったが、仕事が忙しくなっていくと両立が難しくなる。それを察したコンシェルジュは家庭を優先できるようにと、仕事を自分が肩代わりしていくが「私から一番大事な仕事を取らないで」という発言でスイッチが切り替わる。結果コンシェルジュは「ママとずっと一緒にいたい」という娘の願いをかなえるべく、主人公が殺されるように仕向け、その願いをかなえることになる。

 

まあいかにも「世にも」という作品ではありますが、やはりそれ以上でも以下でもない感じ。

 

わが様

沢村一樹主演。仕事に忙しく家族や周囲を顧みない主人公。母親の葬儀で実家に戻った際、実家の蔵で母親からずっと話に聞いていた「わが様」を発見する。わが様の願いをかなえると幸せになるという言い伝えを聞いていた主人公は、わが様の欲しがるものを与えようとするが、ことごとく上手くいかない。それどころか不幸が重なっていく。なぜこんなことになっているのか、自分や周囲のことを顧み始める主人公。そこで「わが様」の正体は、自分自身の子供の頃の姿だと気づき、その時に自分が一番欲しかったもの、それは家族のだんらんであることを与えると、わが様はいなくなり、そして自分自身の心も満たされる。

 

これも「世にも」テイストではあるんだけども、最初の「元カレと三角関係」と同じ感動路線にちょっと寄っているような気がして。ブラックなユーモアが感じられないのよ。「週刊ストーリーランドかよ」って言いたくなる。これじゃあ「ノンレムの窓」にしてやられるぞ、と言いたくなる。

 

 

ちょっと待った!

渡辺翔太主演。今まさに意中の彼女にプロポーズしようとしている主人公。しかし彼女の様子がおかしい。気づくと彼女は二人いて、一人は未来から来たもう一人の彼女だった。その未来の彼女は「結婚するな」という。しかしさらにちょっと待ったをかけてきたのは未来の主人公。次々と未来の二人が登場しては「結婚したほうがいい」「しないほうがいい」と散々言われる始末。最終的に「今日はやめておこうか」と二人で席を立とうとしたら、同じ店にいたカップルが「未来がどうであれ、大切なのは今だから結婚したほうがいいんじゃないですか」というアドバイスをもらう。結果主人公はプロポーズし、結婚することに。同じ店にいたカップルは未来の夫婦の子供たちであり、自分たちがいなくならないように過去に戻ってきて若かりし両親を結び付けていたのだった。

 

これもまあ、よくあるタイムスリップものであり、何か目新しさとかあるわけではないですね。なんかこのくらい雑で分かりやすい話がいいのかな、くらいに思えてしまいますよね。

 

 

というわけで、いいところがほぼナシという久々に残念な結果に終わりました。最近は調子よかったので、素直に肩透かし食った感が満載です。原作ものが一本だけだったのが逆に悪かったのか。原作ものに頼り切るのもどうかと思うけど、オリジナルであってもこのクオリティじゃあ本末転倒よ。オリジナルでコケるにしても、何か光るものがあればいいんだけど、ただの凡作じゃあなあ。また春に期待。冬でもいいよ。

 

さよならだけがじんせいだ

高城れに、結婚する。なんて目出度いことだと思う。

 

現役アイドルでありながら、29歳という年齢でもある高さんが堂々と結婚を発表できるというのは、モノノフ(ももクロファン)である自分からしても「時代は変わったのだな」と思う。アイドルというものは疑似恋愛の対象となり、恋愛禁止を公言しているグループもある中で、「誰かのものになる」というのはアイドルの定義と相反しているのかもしれない。けれど、高城れには(そして相手の日ハム宇佐見は)祝福されたのだ。そのことがもう素晴らしいことでしかない。

 

ももクロは今年「アイドルの向こう側」というドキュメンタリー映画を公開した。元々はTBSのドキュメンタリー番組の1本であったが、完全版として映画にした。自分も仕事の合間を見つけて、観に行った。テレビで放映されたものも見ていたので、途中少し居眠りこいたことは秘密にしつつも(仕事の忙しさに負けた)、しっかりパンフレットも購入している。

 

映画の中で、ももクロ4人が結婚について語っている場面があり、高城がこんなことを述べている。パンフレットより抜粋である。

 

(来年が30歳になるという話を受けて)

高城「いや、わかんないよ。本当にそのときには結婚しているかもしれないしね!」

高城「ヤバっ、勢いで言っちゃった(苦笑)。見込みが壊滅的にないのに…。」

 

映画の中でももクロ4人での対談がなされたのは2021年の秋。高城は交際2年を経て結婚に至ったことを公言しているので、「結婚の見込みが壊滅的にない」というこの発言は嘘になる。もうこの時点で結婚を意識していたのは間違いないだろう。

 

もちろんこの発言を受けて「モノノフを裏切った!」なんて言う気は毛頭ない。そりゃあ言えることと言えないことはあるのだ。高城れにという女性が誰よりもももクロそのものとモノノフを愛していることは、モノノフならば誰もが知っていること。これは裏切りなんかではない。そんな彼女ですら、言えることと言えないことの分別がついていたということ。そして、ちゃんと一人の女性として恋愛を育んでいたということである。偉い。悪い言い方をすれば「ちゃんとやることはやっていた」のだ。

 

そこにきて、クソテレビ批評家気取りの自分ときたらどうだ。やるべきことを何一つやっていない。週に一度の休日ときたら、一週間分の家事雑務をこなし、そして残りの時間でひたすらテレビを見たりラジオを聴いたりしているだけだ。幼馴染を通じてキレいな女性とメシ食ってるべきなのに、今日「ボクらの時代」一気に8本見たぞ。これが40代独身男性のやることなのか。絶対に違う。同い年のタッキーがジャニーズ副社長の座を退いてtwitterで冒険家名乗っている(偽物かもしれないけど)のに比べて、テレビ側から「テレビ批評家気取り」というレッテルを貼られてまで何やってるんだろうなと思いますね。しみじみと。

 

もはや生きていることに負い目しかないけど、来週の「城塚翡翠」が気になるから生きるんですよ。その程度の人生。

 

虚無

久々に更新して書くことじゃあない気がする話ですけども。

 

今年の「キングオブコント」も相当面白かったです。もう酒飲みながら見ていたら面白すぎてほとんど覚えていない。録画しているから見直せばいいんだろうけど、見直してしまったら自分の中の面白さが損なわれてしまうような気がして、とかいう言い訳を用意して再度見ない。いや本当に見ればいいんですけどね。

 

そんな気がしないのは、翌日の円楽追悼大喜利の放送をしていた「笑点」を見たからかもしれない。「笑点」における円楽の存在の大きさと喪失はもちろんのこと、やや久々に見た高齢笑点メンバー、特に小遊三の衰えっぷりが、それこそかつての先代円楽の司会における衰えっぷりに重なるものがあって、円楽がいないことよりも「いまここにいなくなりそうな感じ」のほうが強烈で、とっても切ない気持ちになった。

 

自分がかつて見ていた「笑点」はそれこそ先代円楽が司会で小遊三、好楽、喜久蔵、歌丸、楽太郎、こん平がパワフルに大喜利をしていたもんだ。当時からもうそれほど若くはなかったはずだけど、それでも今の昇太やたい平よりは若く、宮治くらいの年齢だろう。追悼大喜利でも木久扇や小遊三がもう半分スイッチが切れているのに対し、哀悼と笑いをがんばって捧げていたのはどう考えても若手メンバーだ。その中で好楽だけは一人気を張っていたように思う。

 

これを見ちゃうと「ああ、もう一気に代替わりしたほうがいいんでないのかな」と思えたのだけど一気に変わる、変えるわけにもいかないんだろうというジレンマ。笑点代替わり問題はむしろここから始まるんだな、と思うと悲しい気持ちになる。

 

テレビなんて基本的には楽しい気持ちになりたいがために見ているのだけど、予期せず悲しい気持ちになったときに、やり場のないストレスがたまる。

 

「おるおるオードリー」という特番。「こういうやついるよな」という人間あるあるをVTRで紹介していく番組。座組も豪華。「わざわざオードリーでやらなくてもなあ」とは思いながら、特に何の感情もないまま見ていた。すると最後にどうだ。

 

ああ、こういうことやってくるんだなこの番組、と思ったし、正直悲しくなりましたよ。いやまあ自分みたいな鼻クソテレビ視聴者なんてものは批評をしているつもりなんてないんだけども、テレビを作っているずいぶん徳の高い方々から見ればこんな風に思われてるんだろうなあ、という本音が見えましたものね。そう思われているのはいいんですよ。テレビ批評家気取りは自分含めて間違いなく存在するし、そういう滑稽な部分は間違いなくあるからさ。

 

でもね、なんでテレビ見ていてテレビにこんなこと言われなきゃいかんの。

 

テレビ見てただ楽しくなりたいだけなのに、テレビのほうから冷や水ぶっかけてくるわけだ。どうせこの番組もこんな風に批判するんでしょ?ほれ先にやりましたからお好きにどうぞ、的なね。

 

この件に関してはテレビ批評家気取りとしてはずーっと根に持ちたいと思う。忘れねえからな。

 

やる気なくしたので、これが年内最後の更新になりそう。あーいやだいやだ。

 

もう言わないんだ

高校生クイズ2022」録画確認。

 

今年から「地区予選」という概念がなくなり、そして何より長年冠スポンサーを務めていたライオンが撤退した。この時点で「もう高校生クイズじゃないよな」感はあったけども、そこに拍車をかけてまた「知の甲子園」的な暗黒時代に逆戻ったことで「これの何が楽しいの?」と番組を見ながら終始思っていた。何度も書いているが、これなら「東大王」でいいのよ。高校生クイズという名前でやる価値がない。もはやクイズ研究会を擁する高校のためのだけの催しだ。

 

これも何度も書いているが、そういう大会はあってもいいし、あるべきなのだ。自分は競技クイズを決して否定しているわけではない。しかし「高校生クイズ」と名乗る価値があるものは、競技クイズにはない特別なものじゃなかったのか。クイズが強いだけでは勝てない、そしてクイズも強くなければ勝てない、何より青春を、高校生の生きざまを見せつけなければ勝てない尊さがあるからこその「高校生クイズ」という勲章だったのだ。今回のはただの「競技クイズ大会」だ。「高校生クイズ」の看板を背負うほどのものではない。それは勝手にやってくれればいい。

 

もうかつてのような大会には戻れない。それはよくわかる。予算も出なければコロナ禍で大人数が集まるわけにもいかない。何よりそんな企画力もないし、そもそも高校生がもう集まってくれない。これは高校生クイズ側の自業自得であることはここで十数年にわたって言い続けていることだ。裾野を「知の甲子園」とかいう企画で焼き払ったのだから、もう一般の高校生なんか出てくれるわけがない。だからもう細々とクイズ研究会相手にやり続けるしかないもんな。キツいな。

 

もう日テレにできることは「高校生クイズ」の名前を返上することだろう。ライオンという神スポンサーを失ったのだから、名前を掲げておく義理も必要もない。日テレらしくドライに視聴率悪化で打ち切りにすりゃあいいの。そうすれば自分のようなかつての思い出に縋るような人間もキレイに成仏できる。クイズ研究会の高校生には、代替になる大会などいくらでもある。なくなったところで困ることはなかろう。

 

もはやクイズのための知識をクイズ研究会がかっこよく答えたところで、そこに番組としてのカタルシスなんか生まれるわけがないだろ馬鹿野郎。クイズ研究会が普段答えないようなクイズに取り掛かって悪戦苦闘しながら答えを出したなら、そこにはドラマが生まれるかもしれない。日テレなら「超無敵クラス」のレギュラー出演者を10人くらい答えさせればいいの。そっちのほうが俄然盛り上がると思わないか?

 

最終的には自分が見なくなればいいだけの話なので、関係者が楽しくやれればいいんじゃないっすかね。来年以降も同じ路線を貫いて、さほど話題にもならなければいいと思います。最後に一つ言わせてもらえば、安村アナの「トトトトトラーイ」はあっさり廃止されたんですかね。番組見ながら「ああ、もう今年は言わないんだ」と思ってましたよ。1年でその決断ができるんなら、もっと番組自体をうまく舵取り出来そうなもんだけど、それとこれとは話が別なのか。そこらへんの諸問題を出題してはくれないか。しないよな。

 

小手がおかしい

テレ東で放送されていたホラードラマ「何かおかしい」をまとめて見ました。

 

ラジオの生放送を軸に起こる「何かおかしい」事件。ラジオとインターネットの同時性を上手く使って「現代ならでは」のホラーを描いている。

 

正直なところ、最初のほうはあまり面白いと思わなかったのですよ。それはドラマ内で起きた事件の中身を丁寧に解説してしまうことに対して「何が怖かったのか、の余白をこちらに託してくれないのかあ」と思っていたからだ。自分の中でのホラーの基準はやはりフェイクメンタリーでもある「放送禁止」であり、このシリーズは「何が起きていたのか」をやんわりと見せはするけど、全てネタばらしするようなことはない。そこに「自分で考える」楽しさがあり、怖さに深みが生まれると思っている。

 

だから自分からすれば「そこ説明しなくていいよ」にしかならないんだけど、同時にこれは「今っぽいのかな」とも思っていた。動画を倍速やシーン飛ばしで見るような世代からすれば、全てを自分で見て理解するのではなく、そこに「こういうことでしたよー」という解説があったほうが手っ取り早く親切だという話なのだろう。自分はそこに面白さや価値は感じないけども、そういうニーズがあるのであれば仕方ないのかな、くらいの理解。

 

だから最初のうちは「これが最後まで続くのかあ。面白くなりそうではあるけど、ちょっと蛇足でもったいないなあ」と思っていた。しかし全6話のうち、最後の2話になると話が変わってくる。そう、小手伸也の登場だ。

 

ラジオ番組を舞台にしていたこの話、日替わりの帯番組で月曜火曜の担当はヒャダイン(第1話・3話)、水曜木曜担当はオリラジ藤森(第2話・4話)ときて、金曜担当が小手なのだ。この並びだけでもちょっと笑える。昼から夕方の帯番組でヒャダイン、藤森ときて小手というのが既に「何かおかしい」もの。しかし最後まで見終えた今、ここに小手がいる意味はよく分かる。むしろ他の2人は小手が使いたいがための前振りでしかない。

 

メインパーソナリティ小手のアシスタントは野々村真の娘の香音。月曜火曜のアシスタントが岡田結実(念のためますだおかだ岡田の娘)ってのでこれも「何かおかしい」(というか遊んでいる)と思うのだけど、少々小手と険悪なのも面白い。もちろんこれもドラマの最後につながるフリではある。全部書いてしまうのはさすがに気が引けるので書かないけども、やんわり小手の不倫もイジられているのが最高だ。

 

このドラマの核心部分は、小手が大活躍する(と自分だけが思っている)5話6話だけ見ても分かる。これを書いている時点では4~6話は「Tver」でも見ることができるので、興味のある人はぜひ見てほしい(1~3話はYouTubeで見ることができる)。前半は解説に蛇足感が強いので、そういうのが見たくない人は5話6話だけのほうがいい。

 

「何かおかしい」ってのは大事な感覚で、それに気づいた時にどうにかしないと、あとで後悔しても遅いつうことをこのドラマは伝えてくれています。つまりはこういう話。

nageyarism.hatenablog.com

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いまだに倖田來未のCMはホラーだと思ってるけど、それはドラマとは直接関係がない。どうやらシーズン2も決まり早々に放送されるらしいので、気になる方は2が始まる前に。