さよなら2020年

どうも、ハトヤです。年末忙しかったですが、ようやく仕事納めで休みになりました。

 

本日12月30日の夜は「バスVS鉄道旅7」を1.5倍速で追いかけ再生しながら見て、録画に追いついたら同時に録画している「有吉の壁」の1.5倍速の追いかけ再生に切り替え、ある程度時間がたまったらまた「バスVS鉄道旅」に切り替え、4時間の放送中に両番組をほぼ同時に見終える、みたいな過ごし方をして現在です。本気出せばこんなもんです。どっちも超面白かったです。本気出しても感想はこんなもんです。「アメトーーク」はまた後日。さすがに5時間長いのよ。

 

今年は世界的には波瀾の1年でしたが、個人的には「さほど例年と変わらない1年」でありました。GWの時に気づいてしまったのですが、自分の生き方というのはどうやら世間一般の人から見れば「自粛生活」と呼ばれるものだったのです。だから周りの人間がやれ自粛だやれテレワークだとストレスをためる一方で、自分は普通に出勤し(テレワークをやろうと思えばできる職種ですが、一切そんなことにならなかった)、そして休日はほとんど家に引きこもっては録画を消化する毎日。自分は何かの刑に服しているのかもしれません。

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昨年末に今年の目標として「ブログ更新とおっぱいの両立」という30代後半としてはあまりに情けないものを掲げました。ブログの更新こそまあまあ頑張れた(100本には到達しないものの、この更新含めて91本)のですが、もう一つの目標「おっぱい」のほうは、ススキノなんか近寄った日には非国民的な扱いをされそうで、コロナ禍以降一切近寄ることがありませんでした。一応自分も社会人なので、札幌に住んでいる以上年に数回はススキノに行く機会はあるのですけども、今年は2月にジンギスカンを食べたっきり足を踏み入れておりません。もちろんおっぱいも揉んでおりません。

 

テレビの話をすれば、コロナ禍で番組制作が一時的に不可能になり、再放送や総集編が大量に流されるという今までになかったことが起きました。しかしそれが「悪いこと」だったのかといえば全然そうではなく、むしろ昔の面白かった番組をまた見ることが出来るというのは全然アリだったわけで、今後ますます制作費に余裕がなくなっていくテレビ業界が再放送との折り合いをどうやってつけるのか、みたいな話になっていくのではないかと思います。

 

ブログの話をすれば、岡村ANNの発言の件で大量のアクセスがありました。過去イチくらい読まれた(アクセスがあった)と思います。長いことやってりゃこんなことも一度くらいあるわいな、くらいの気持ちではありました。その一方で「こんなに反響ないものかね」とも思います。これだけアクセスあればもうちょい何か褒められたり、謎の500万円が口座に振り込まれたりしてもよさそうなもんだと勝手に思ってましたけども、自分の文章ほど誰からも相手にされていないものもないな、と改めて気づかされました。あんなにアクセスあったけど、結局誰も読んでないんだな、と。だからここで「草なぎ剛の嫁は一本で満足するのかな?」とか書いても何の反響もないのです。数少ない読者がそっと離れていくだけです。

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世界がコロナでどうなろうとも、自分は2021年も変わらずテレビを見てそこそこ仕事をして、そして誰も読んでいないブログを書いてあっという間に1年終わるのだと思います。世の中の人はコロナで急に時間ができたから、と新たなことを取り組んだ人が多かったようですが、自分は今年新たに始めたことは1つもありません。そうひとつも。だから2021年も新しいことはせずにテレビ見てラジオ見てももクロちゃん見てブログ書いてるんだと思います。誰から相手にされなくても、勝手にやってるんで、来年もヒマな人は勝手に見てください。

 

解決えみちゃんねる

「M-1グランプリ2020」の感想を敗者復活から。

 

敗者復活戦

金属バット

ちゃんと「大会向け」に作ってきたネタ。無意識にもっと刺激を欲してしまった。

 

タイムキーパー

どこかで見たことある感じ。初期のパンクブーブーと似たような印象。こなれてるけど他の誰かでもいいやつ。

 

コウテイ

ふざけてるけどしっかり面白いやつ。意外に投票の評価低いなあと。

 

カベポスター

見ているほうが混乱して巨人師匠点数低いやつ。

 

インディアンス

仕上がっていました。

 

からし蓮根

換気のくだりは笑うなあ。

 

ぺこぱ

去年の自分たちが最大の壁。

 

ランジャタイ

頭おかしい。決勝でかましたらどうなるのかちょっと見たい気がする。

 

滝音

ツッコミ先行。

 

キュウ

ごめん 理解できない ラトビア

 

学天即

勢いある時期にM-1がなかった悲哀。去年の囲碁将棋とまったく同じ感情。

 

ゆにばーす

自分の中では敗者復活1位。

 

ダイタク

双子-1グランプリがあったらおすピーに次いで準優勝くらい面白い。

 

ロングコートダディ

じわじわ欲してしまった。

 

ニッポンの社長

来年は決勝行くと思う。笑いの地肩が強い。

 

 

決勝

インディアンス

不良。敗者復活から昨年のリベンジといわんばかりに大暴れ。非常に個人的な感想であるが、敗者復活から決勝まで録画をぶっ通しで見たので、短時間に同じ漫才を2回見ることになってしまったゆえ、あんまり決勝のほうの印象がない。疲れていたので油断して寝ていたのかもしれない。インディアンスの今としては完成された感じがあるので、これ以上となるともう一捻り必要なのか。酷だなあ。

 

東京ホテイソン

謎解き。強烈なワードを叩きつけるたけるのツッコミを見ているほうが欲してしまう。けど去年の敗者復活のほうがワードとしては強かった気がするし、個人的2020ベストツッコミ「いーやクンニの尺!」を超えることはできなかった(当たり前だ)。ネタギリッシュで披露したあのネタを生放送をいいことにやっていたら、伝説に残ったかもしれない、みたいなことを考えてしまった。

 

ニューヨーク

モラル。嶋佐が飄々とモラルの低い犯罪を並べていくくだりに「これこれぇ」とニヤニヤ。やっぱりニューヨークはこうあってほしい。今年1年の活躍がこういうネタをやれる余裕に繋がっていたんじゃないだろうか。もうひと爆発あればなあ。

 

見取り図

マネージャー。しゃべくりストロングスタイルから少し変化をつけて若干コントが入ったような構成に。最初の謝罪の朝礼を最後に回収してくるあたりも憎い。変化球が多かった今回の大会においては「安心して見られる漫才」だったような気がします。

 

おいでやすこが

知らない曲。おいでやす小田のともすれば古臭い全力のツッコミがスコーンとハマった。もちろん面白かったんだけど、このウケ方を見ると「ひとりでは空回りしていた感のある小田のピンネタのツッコミにおける最適解がこの形なのかなあ」とか余計なことを思ってしまった。こがけんが淡々とボケ続ける(歌い続ける)というのも相性がいい。正式コンビではなくても、ちょいちょいコンビでもやればいいのにね。

 

マヂカルラブリー

高級フレンチ。ここに関しては「上沼恵美子が笑っていた」というだけで最大の仕事が済んでいて、あとはオマケみたいなもの。しかしこのまま優勝までかっさらっていくのだから凄い。これを漫才じゃない、と言いたい人は言えばいいんだよ。だからどうした面白いのが正義じゃ、と自分は思う。

 

オズワルド

改名。すげえ面白かったんだけど、あんまり点数が伸びなかったなあという印象。見ているほうが、もしかしたらやっているほうも「東京漫才」のキャッチフレーズに縛られているんじゃないかと思う。最初声が小さくても途中から声を大きくしてもいいじゃんかよ、と思った。

 

アキナ

好き。漫才も上手いし面白くないわけじゃあないんだけど、年齢不相応というか、20代の若手漫才師がやるようなネタだったなあと。富澤は「(自分のような)オジサンには設定がはまらなかった」と優しくフォローしていたが、見ているほうの問題じゃあない気がする。M-1はいいのか悪いのか最初の紹介VTRで年齢を出されるわけで、40歳の山名がやってこれは面白いのだろうか?という真っ当な疑問が生じてしまった時点でこれは難しい。「THE MANZAI」でブラックマヨネーズが「若い頃にやっていたネタは自分たちに合わなくなってしまった」というコメントを残していたが、そんな感じ。いや新しいネタなんだろうけどさ。

 

錦鯉

パチンコ。大好きとしか言いようがないがあんまり伸びなかったなあ。アキナのときに順番が順番が、と言われていたけども、錦鯉こそ順番にやられた気がする。おいでやすこがとマヂラブで力技の笑いに若干疲れていたんじゃないんだろうか。もう一回見直したら全然面白いもの。これが3,4番手で出てきたら大爆発していたかも。

 

ウエストランド

マッチングアプリ。うーん、こちらも見ているほうが疲れていたと言ってしまえばそれまでなんだけど、「遂に決勝に来たか。仕上がったか」という期待値を上回るほどではなかったかなあ。「可愛くて性格のいい娘は、いないよ」のシーンで笑う上戸彩を抜いたカメラが最強だった。

 

決勝

見取り図

大阪。1本目とは違いこちらはガチガチのストロングスタイル。これを2本目に温存しているんだから力ありすぎ。

 

マヂカルラブリー

手すり。見取り図とは違ってこっちが1本目だったら結果は全然違っていたかも。1本目の印象が2本目のネタまで面白く感じさせている。

 

おいでやすこが

バースデーソング。歌ネタありきのこのコンビは2本目まで相当強くないとキツかった。やっぱり1本目のインパクトを超えられず、が僅差の負けかなあ。

 

 

優勝はマヂカルラブリー。審査員票が3・2・2に割れる大激戦。松本が「いつもは2組で迷うけど、今年は3組で迷った」と述べているように、最後は「何を基準に見ているか」の差だったように思う。結果は結果として何の異論もないけど、去年みたいな「これはミルクボーイだろ」という揺るぎなさとは違って、あと少し何か違ったら結果は大きく違ったんじゃないだろうか。でもその僅差を勝ちきってしまうマヂカルラブリーはやっぱり「持っている」んだろうなあと思う。上沼問題も色々な意味で「解決」してよかったよかった。

 

出来過ぎだった昨年の大会と比べるのは酷ですが、かといって今年も充分に面白い。必要以上の煽りの演出は「ダセエなあ」とは思いましたが、ソーシャルディスタンス的なおかげで余計なゲストがいなかったのはすっきり見やすかったです。正直マヂカルラブリーの露出が劇的に増える光景は浮かばないんだけど(ごめんなさい)、飛び道具的な扱いだった評価は大きく変わるんじゃないかという気はします。「勇者ああああ」にはちゃんと凱旋してほしいです。なんだかんだでやっぱり楽しい大会とテレビを見たなあ、という満足感でおしまい。

 

 

QとW

今年の「高校生クイズ」の感想は「あんまよく覚えていない」である。

 

いや録画もしてあるし見返して何かしら書けばいいんだろうけど、そんな気がまるでしない。コロナ禍の影響で全参加者がリモートによる出場という事態は制作側も苦慮しただろう。特にここ2年のコンセプト「地頭力」は自ら体を張って行うものが多く、そこをスタジオにいる芸能人をアバターに仕立て上げて行わせるのは悪くなかった。

 

しかしそれ以外のことがまるで「良くない」のだ。3年1周期であるとされる高校生クイズは今年が「地頭力」の最終年。過去2年を踏襲しつつ、ではなく、ほぼほぼ同じようなことをやっていて、まるで目新しさがない。誰も正解できなかったクイズがまるまるカットされ、それらを含めて「完全版はhuluで」では「じゃあ最初から全部huluでやればいいじゃん」としか思わなかった。見せ方下手すぎないか?

 

今年は色々難しい部分があったことは承知の上で言うけど、全体的にあんまりやる気を感じなかった。来年はシリーズが更新されていよいよクイズノックの出番か。クイズノックが元気だったら、だけど。

 

一方で制作側のやる気を感じさせたのが「THE W」でした。

 

始まった当初は「これで大丈夫か…」的な側面しかなく、立ち消えても不思議じゃなかったくらいの番組。しかしそこは日テレ。数年かけて本気でビッグタイトルとして育てる覚悟があったのか、年を追うごとにレベルが向上。そして今年は「普通に面白い賞レースの番組」として成立していた。

 

要因は色々あると思うが、一番日テレ的で「上手い」と思うのが、「日テレの人気バラエティ番組出演権」だろう。優勝者の顔を売ることで人気者に仕立てることが可能となり、そして何より「THE W」からスターが出た、的な錯覚(と敢えて書く)を起こさせることで出場者の意識とレベルが上がるからだ。実に日テレらしい戦略だと思う。

 

もちろん番組のギミックだけで出場者のレベルが上がるわけではないので、大会も4年目を迎えて本腰を入れてきた女性芸人が増えてきたのだろう。山田邦子が「え?出場費取られるの?」と驚いて辞退したことがもはや懐かしい。

 

Aブロックも面白かったけども、やはり今年はBブロックが熾烈すぎた。ジャンルを問わない「THE W」でしか披露できない勝負ネタを持ってきたAマッソ、超ド級の頭おかしいネタで会場を荒れ場にしたゆりやん、その荒れ場を鎮めて勝負をひっくり返した吉住、着実に笑いのレベルが上がっているはなしょー、どう転んでも面白いぼる塾と、若手の女芸人の頂点を決めるに相応しいメンツが揃ったように思う。そこで勝ち抜いた吉住が優勝するのはこれ必然だろう。もちろんAブロックの勝者紅しょうがも充分に面白く、来年以降も期待できる。

 

特に今回シビれたのがBブロック初戦、Aマッソとゆりやんの勝負。Aマッソの着想とゆりやんのクレイジー加減はほぼ互角。あとは好みの問題というレベルで、審査員は相当悩んだだろう。6票めまでは3対3。アンガールズ田中の最後の1票がゆりやんに入り、勝者はゆりやんに。

 

アンガールズ田中とAマッソは事務所の先輩後輩であるが、ここには大きな繋がりがある。田中がYouTubeのAマッソチャンネルで「Aマッソが売れるにはどうすればいいか」を力説したことで、その的確な批評っぷりが買われ「ゴッドタン」の「勝手にお悩み先生」に繋がり、その評判が「THE W」の審査員にまで繋がったと田中本人が語っている。そのきっかけになったAマッソを「THE W」の舞台で審査しなければいけないという究極の状況だ(と自分は見ながら思っていた)。

 

だから自分はこの勝負、「田中が入れたほうの勝ち」だと思っていた。奇しくも田中の票が最後になったことで、田中の票が勝負を決することになったわけだが、そうでなくても「ここまでAマッソを見てきた田中が票を入れたほうが、実際の勝敗とは違ってもこの勝負の実質の勝者なんだろうな」と見ていた。後輩だからという理由で票を投じるはずがない、という信頼が田中にはあった。だから田中がゆりやんに票を投じたことが全てなのだ。

 

ただここで負けたAマッソは決して損していない。これで知名度は上がり、バラエティ番組に呼ばれる機会も増えるのではないか。なんなら田中とのセットで出演し、田中が票を投じなかったから負けたと吼えることで盛り上がるくだりはすでに「田中には」見えているはずだ。

 

損しなかった、という意味であれば、今回の出演者は誰も損していないように思える。皆それぞれの良さが出ていて、次が見えるような感じだ。笑い飯哲夫が「個人的に審査につけた点数」で100点をたたき出した、頭のおかしいネタをかましたオダウエダの出番が増えてくれればいいなと思う。あとはコロナで出場できなかったスパイクが報われてほしいな。

 

正直全然期待していなかった「THE W」であるが、来年はちょっと期待して見てもいいのかな、と思う。

 

 

 

こういうことか

映画「こんな夜更けにバナナかよ」がテレビで放送されたので見ました。

 

北海道を舞台にした話であり、いまや紅白司会の大泉洋が主演ということで「まあ見ておくかな」くらいの気持ちで見ました。三浦春馬が命について考えていたりと若干複雑な部分もありましたし、感動させつつも全体的にはとても考えさせられる話なのですが、自分が一番心に残ったことは「高畑充希がかわいすぎる」ということです。

 

高畑充希といえばいまや「ケンタッキーをやたら勧めてくるにくいあんちくしょう」ですが、キャリアも長い20代女優のトップランナーのひとりであります。自分が最初に見たのは「金八」で、その後もドラマに映画に色々出ております。しかし最近では過保護にされたり(過保護のカホコ)忘却するためにメシを平らげたり(忘却のサチコ)、ちょっと変わった役が多かったように思います。

 

そんな中「こんな夜更けにバナナかよ」で演じた役は等身大の若者であり、なんかすごい「シンプルにかわいい」というものを見せつけられた気がします。自分は「いつかこの恋を見てきっと泣いてしまう」なんてことがないもので、「ああ高畑充希はこういう役がちゃんと出来るんだなあ」とよく考えたら当たり前のことをしみじみ考えてしまったのでした。ちゃんとかわいい。

 

これが本題ではない。

 

なんでこの映画が今更放送されたのか、といえば大泉洋さんが主演する映画「新解釈・三国志」が公開されるからですね。自分はこのCMが放送されるのを見て、いや実はけっこう前から思っていたことがある。恥ずかしながら今発表したい。

 

三谷幸喜および三谷幸喜作品に対してモヤモヤした気持ちを抱いている人たちの気持ちは、自分が今福田雄一および福田雄一作品に対して抱いているモヤモヤした気持ちと、おそらく同じであると。

 

いやあ気付いてしまった。数年前から「これはもしかしてこういうことなのか」と思っていたけど、つい最近確信に変わった。

 

福田雄一といえば最近なら人気漫画だった「今日から俺は!!」のドラマ化を成功させ、映画も大ヒット。出世作は「勇者ヨシヒコ」シリーズで、佐藤二朗ムロツヨシを多数起用しブレイクさせた実績もある。現代のヒットメーカーと言ってなんら差し支えない。

 

その一方で自分は不思議と福田作品をほとんど見てこなかった。これは本当に偶然であんまり見る巡りあわせにならなかった。前述「ヨシヒコ」シリーズや「今日から俺は!!」は見ていないし、「親バカ青春白書」は早々にリタイア。唯一マトモに見たのは「アオイホノオ」くらいだ。

 

最初のうちから福田作品に触れていればそんなことはなかったのだろうが、既に出来上がった福田ワールドに飛び込もうとしたとき、自分が福田作品に抱く気持ちは単純で「なんかこっぱずかしい」である。福田作品特有の「ギャグの打ち込まれ方」がどうにも恥ずかしい。端的に言えば苦手なのだ。今回の映画「新解釈・三国志」のCMで断片的に放送される「いかにも面白いですよー」的なカットの連続に「もうお腹いっぱい」となる。これを見て面白いとなる人がいるのは分かるんだけど、それは自分ではないという気持ち。

 

でも自分は同じような扱いのものを今までずっと見てきていた。そう三谷幸喜だ。自分にとって三谷幸喜は「王様のレストラン」以来「こんなに面白いものを作る人がいるのか」という尊敬の対象でしかないのだが、そう捉えていない人が世の中にはもちろんたくさんいて、そんな人たちが「ザ・マジックアワー」のCMやスポットで流れた佐藤浩市のナイフを舐める演技のシーンを見て「あぁ…」と思ったんだろうということは想像に難くない。尊敬している自分ですら「あぁ…」と思ったからな。ちなみに「誰かが、見ている」に関してはずっと「あぁ…」と思っている。本当に尊敬しているのか自分は。

 

自分より下の世代の人が最初に福田作品を見て「こんなに面白いものを作る人がいるのか」と思い、自分にとっての三谷幸喜に対する信頼や尊敬と同じものがあるとするならば、あのCMを見たときの感想は自分とまったく違うものになっているのだろう。しかしそれはかつて自分が通ってきた轍であり、自分の外側にいる誰かが今の自分と同じ気持ちになっていたのは間違いない。

 

だから今自分は「新解釈・三国志」のCMを見るたびに微妙な感情とともに「こういうことだったんだなあ」と思う。決して三谷幸喜が悪いわけでも福田雄一が悪いわけでもない。そこにあるのは「合う者と合わない者ではこのような受け取り方の違いがある」という断絶だけだ。自分は今後福田作品と「合う」ことはなさそうだし、夜な夜な思い出したように三谷幸喜が歌う「流星ビバップ」をYouTubeで見てしまうのだろう(個人的にちゃんと録画もしてあるんだけど)。これはしょうがない。

 

 

 

あと全然関係ないけど渡部の「笑ってはいけない」を本当にカットするなら、それこそ有料でHuluで流せよとは思う。金払って見た人の負け。

 

 

そして伝説か

ラーメンズ小林賢太郎が引退を発表。

 

ただ引退とはいっても「表舞台からの引退」であり、作家活動などは続ける模様。要するに「出役としてはもうやりませんよ」ということである。その中にはもちろん「ラーメンズ」は含まれるわけです。

 

「できればもう1回ラーメンズとして何か見たかったなあ」という思いがないわけではないが、かといって「悲しいです、残念です」的な言説になるかといえばそれもまた違う。自分は現在進行形で小林賢太郎の活動を逐一追いかけているわけではないし、また今現在ラーメンズに対して悲しみのニュアンスを出すほどの熱量があるわけではないからだ。

 

内田裕也の時にも書いたけども、こういう報道が流れれば日本人はさほど思い入れがなくても、自分のかすかな記憶を頼りに「寂しさ」を表明するものである。大してそんなこと思ってもいないのに。それがある種礼儀のようになっているわけで、悪いことではないと思うが、別にいい慣習だとも思っていない。

 

んでまあラーメンズ、ひいては小林賢太郎の話に戻るわけだけど、自分はラーメンズ小林賢太郎を「お笑い」だと思っています。今でも。「当たり前だろ」と言われるかもしれませんが、後期のラーメンズ及び小林賢太郎のソロや劇団の舞台はすでに「お笑い」ではなくなり、小林賢太郎の内なる芸術性を発揮するものとなっていました。それはそれで間違いではないと思います。

 

しかし自分が見たかったのはただの「お笑い」であり、それ以外のなんやかんやは余計なものでしかなかった。その最たるものがラーメンズそのものが目的となっていた「ラーメンズのファン」であり、自分にはそれが端的に言うと「気持ちわりい」と感じ、そこから徐々に「まあいいか」くらいの気持ちになっていきました。決してラーメンズのネタそのものを否定するわけではありませんが、最後のほうは「そこまで大絶賛されるようなものじゃなかったよ」とは思ってます。主観です。

 

今はネタのほとんどがYouTubeで公開されており、ライブの順番でまとめて見るのがベストですが、単独で見てもじゅうぶん面白いネタばかりです。なので「そこまで大絶賛されるようなネタ」かどうかは各自判断してもらえればよいのです。

 

ラーメンズが作り上げてきたネタというのは当時画期的であり、人を引き付ける魅力のあるネタであったことに異論はありません。しかしその一方で、その魅力の一面のみがピックアップされ信者のようなファンが拡大することにより、ネタが手段から目的になってきたような側面が自分には合いませんでした。あくまで面白いネタが見たい自分に対して、ラーメンズが見たいファン。そりゃ合わない。そんなことを書いたこともありました。

 

nageyarism.hatenablog.com

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 熱狂的なファンを生み、そして今のお笑いに影響を与えたラーメンズがこのまま終了する。小林賢太郎が表舞台から姿を消す。このことで小林賢太郎という人はある意味「伝説」になるんだろう。もちろんそれはそれで構わないのだけど、「お笑いからちょっと逸れて芸術分野に片足突っ込んだ人」という面においては、個人的に「片岡鶴太郎のようなもの」としておいたほうが据わりがいいので、小林賢太郎さんには「令和の片岡鶴太郎」という称号を送りたいと思います。何もかも間違っているのだろうが、自分にとってはそのくらいなもんなのです。これでしれっとパラリンピックの開会式でバリバリ出てきたらそれは笑います。

 

 

 

 

トイレタイムを逆手に

世にも奇妙な物語'20秋の特別編」の感想を。

 

コインランドリー

濱田岳(へいひの)主演。派遣先をリストラされフリーターのさえない主人公。ある日コインランドリーで「冷たいビールが飲みたい」と呟くと、洗濯機からビールが。不思議に思っていると、清掃員(コロッケ)から「これに願えば欲しいものが出てくる。ただし1日しかもたないから気を付けて」を言われる。彼女が欲しいというささやかな願望を毎日満たしていくうちに、コインランドリーで知り合った就活生の近藤(岡崎紗絵)に「変わってしまった」と言われる。そんなこと気にせずに毎日違うタイプの女性を出し続けていくが、清掃員に「人間だけはダメだ」と言われる。理由を聞けないままでいると、急に意識を失い、自分がその洗濯機から出てくる。変わってしまった近藤が「以前の主人公に戻ってほしい」と願われたためだった。テレビから流れるニュースで目にしたのは、自分が出したお金がどこか別の場所から消えているという事実。そして最終的に「自分も1日後に消えてしまう」ことを悟るのである。

 

世にも大定番の「自分も」パターン。それ以上でもそれ以下でもない。へいひのがやればそれは全てドラマとして成立するんだから仕方ない。へいひの32歳。まだまだ若者の役もやれる。「教場2」も楽しみにしてるぞ。

 

タテモトマサコ

大竹しのぶ主演。婚約者が急に自殺した志倉(成海璃子)は、その死を不審に思う。前日に館本(大竹)と揉めていたことを聞きつけた志倉は館本に問い詰めるも、翌日何事もなかったかのように出社する。婚約指輪を見て「何かを忘れていた」ことに気づく志倉。その後館本の周囲で不審な自殺が続いていたことが発覚。館本に屋上に呼び出され、館本が「他の人間より言霊の力が強い人間」(=言ったことが実現してしまう)であることを明かされるも、全て忘れて会社から去るように告げられてしまう。館本の言霊通り志倉が会社を去るも、予めそうなることを見越していた志倉は、屋上でのやり取りを録音し、腕にメモしていたおかげで音声ファイルで会社じゅうにばらまくことに成功。「私のことは忘れなさい」という館本の音声が会社の人間に伝わり、誰も自分の存在を認めない館本はどこかへ消えてしまう。

 

今回のナンバーワン。大竹しのぶが不気味なオバサンを演じるというだけで勝ちなのだけど、ストーリーもしっかり起承転結がついていて面白かった。ともすればただの「自業自得」系で終わってしまうのだけど、そこは大竹しのぶ。不気味さを維持したまま最後まで緊張感を保って終了。さすがだよさすが。

 

イマジナリーフレンド

広瀬すず主演。小さい頃に自己防衛本能として見えていた「イマジナリーフレンド」のぬいぐるみユキがまた見えるようになった大学生の主人公(広瀬)。大学でパシリに使われる幼なじみのことを助けることが出来ずにやきもき。そんな中大学内で優しくされた男と仲良くなるも、自宅で男に襲われそうになる。その状況を救ってくれたのは、いざこざがあり狂暴化したかに見えたユキだった。襲われたあとで見つけた写真に写っていたのは、主人公の姉の友希(ゆき)であり、イマジナリーフレンドの正体が姉であると分かる。

 

あらすじだけを読めばどうにもこうにも陳腐ファンタジーであり、実際ドラマもそんな感じだった。しかし今回の裏MVPはこの作品である。なぜならユキの正体が姉と判明した直後にCMが入り、そこに登場したのが広瀬アリス(言うまでもなくすずの姉)という離れ業をやってのけました。「アメトーーク」の嵐SPでCMがずっと嵐もなかなかな力技でしたけども、CMという本来邪魔くさいトイレタイム(©乱一世)を逆手にとってこういうお遊び(あるいはただの偶然)を出来るのはとてもいいですよね。

 

アップデート家族

高橋克実主演。安月給で家族の扱いも悪い主人公(高橋)が見つけたチラシには「家族のアップデート」の文字が。実際試してみると母親は得意分野の分担と主人公のやる気を出させるために5人の美女に。兄と弟は一体化され、ペットの犬はVTR化。祖父と祖母はGとBの無機物に。怒り狂う娘(吉川愛)をよけようとした主人公は頭を打って気絶。死んだのかもしれない。その後アップデートが行われ、父親はイケメン外国人に、そして娘はアニメに。

 

今回の完全なるバカ枠。吉川愛ちゃんこと吉田里琴ちゃんの立派な姿に岡田将生も泣いている。たぶん。

 

これ書くにあたって前回('20夏)の文章を見直したら「オープニングちゃんとやれ」と、今回思ったことと同じことを書いていて「全く進歩がないな自分も世にもも」と思いました。そして前回の最後に今回の予告が流れていたことなんてすっかり忘れてました。広瀬すずがコロナ復帰後のリハビリ演技だなあと思っていたけど、全然コロナ前でしたね。感想とはかくも適当なものです。また次回(来年春くらいかな)お会いしましょう。

 

 

 

 

 

 

優一落選

花田優一、紅白も裏紅白も落選。

 

今年も年末ちょっと前恒例である「紅白」と「裏紅白」の出場者が発表されました。ホンモノこと「紅白」のほうはそこそこ普通です。AKB48が漏れてしまったことに驚きがあるようですが、坂道が全部出ているので「これまとめたらAKB出れたじゃねえか」とか思います。もっと酷いのは白組でジャニーズ祭りが加速していて、そのうち「紅組」「白組」「滝沢組」くらいに分かれそうな気がしますね。退所者が多くても問題なし。

 

もう何年も「紅白オワコン」みたいなことを言われているのに、いまだにあらゆる歌手が紅白落選になると騒がれるってのも不思議なもんです。やっぱり「紅白歌手」ってのは今でも大きな肩書きになるんでしょうね。暗くて汚いライブハウスから来たSuchmosのファンとか未だに紅白待望しているんですかね。それはそれで面白い気もします。

 

一方もはやこちらをネットでいいから流してくれ、でお馴染み「裏紅白」ですが、今年から「きいろ組」と「紫組」に改称(理由は「音楽ナタリー」の記事に詳しいんで、気になる方は読んでください)され、てっきり玉井さんと高城さんの出番かと思いましたが、そちらは「ももいろ歌合戦」であり、もう何のことか分からない人もいると思いますけど、各自調べてください。

natalie.mu

裏紅白のネタがどれだけ分かるか、で自分の今年の芸能習熟度が分かります。そして紅白と微妙にリンクしているところも面白かったりします。例えば「裏紅白」では上沼恵美子とろサーモン久保田との対決になっているのはもちろん「M-1」の遺恨対決ですが、時事ネタとしては少々古い。しかしこれは上沼恵美子が歌手としての紅白初出場を狙っている、という飛ばし記事を受けたもの。どうでもいい記事が「裏紅白」がちゃんとネタにすることで成仏されます。

 

そういや「紅白」では島津亜矢がまさかの落選だったので、今からでも「白日」で裏紅白に出場できませんかね?とは思う。

 

 

 

と、長い前置きを経て花田優一である。

 

先日歌手デビューして「紅白出場を狙っている」とアピールしたにも関わらず、「紅白」はもちろん、「裏紅白」からも落選した優一。「ミヤネ屋」の毎度おなじみ「興味があるフリして全く興味ない感じの取材」があったくらいで、あまりに話題が小さいので「裏紅白」のほうはまさかのネタ漏れか?とも思ったが、ちゃんと落選者一覧に名前があるので「裏紅白の基準ですら取るに足らない」と判断されてしまったらしい。YZS(優一を雑に扱う推進委員 委員長は神田伯山)の自分としては、「紅白」はおろか「裏紅白」すら選考漏れになってしまった事実に、本人以上に落胆と遺憾の意を表明しておきたい。

 

来年こそは是非、花田優一「純青」VS吉岡里帆の弟「おらこんな弟子いやだ」で対決してほしい。

 

 

そんなことより「姉ちゃんの恋人」の話とか書きたかったんだけど、疲れたからまた今度。